中古ピアノオークション

大変便利で、中古品から新品のあらゆる商品が手に入るオークションサイト。

使っている方も多いと思います。

 

「不要な物を必要な人に」というサイクルは、ピアノなどの楽器にあてはめて言うなら、

いい音色を次の世代に残すための有効なシステムだと思います。

 

反面、ピアノは楽器である以上、音が重要であり、オークションサイト上で音色やタッチなどの確認をすることは現状困難です。

 

そのため、試弾をさせてもらうように出品者に連絡をして段取りしていくのが一般的だと思いますが、試弾を希望して断られるようなら、そのピアノは諦めるのが無難だと思います。(試弾を断る出品者=悪い出品者とは言いきれないケースもあります。)

 

さて、実際試弾することになったピアノに消費期限が書いてあれば、出品者も買う側も、わかりやすいのですが、アンティークピアノという物があるとおり、古いから使えないとも限らず、装飾やデザイン、年代・型番・色など価格が上下する要因も様々です。やはりここは入札前に専門家にお願いするのがいいと思います。

 

●調律師

試弾して気に入ったピアノが見つかったら調律師に相談して、実際下見にいってもらい、使い続けられるピアノなのか?

または修理費用はいくらか?などの様々な疑問に答えてくれると思います。

その際、ピアノの搬出経路の確認なども同時に出来るため、時間と費用の節約にもなります。

 

●下見でわかる事

下見から数日での見積もりがでます。

以下一例

 

修理費(修理が必要であれば)

運送費(出品者宅~ご自宅まで)

調律料

下見代

+出品者に支払う金額

となり、全体のおおまかな費用が入札前に把握できるため、トラブルになりにくく、予算の事もふくめた全体の流れが確認出来ます。

 

●ピアノ業者

ピアノ業者が、仕入れた中古ピアノになにもせずに次のお客さまの元に出荷されるケースは、ほとんどありません。

 

内部には、使っていなくてもホコリが溜まる場合があり、夏は高温多湿で冬は乾燥する日本人にとっては当たり前の環境もピアノにとっては、寿命を速める事につながり、建物のタイプや冷暖房の種類で調律にも影響がでるため、検査やメンテナンスが必要不可欠となります。

そのため、ピアノ内部を含めたクリーニングをはじめとした、

やらなければならない作業が多数存在し、

その判断は、経験による所が大きいと思います。

そのため、不要なピアノをそのまま別の場所へ移動する際は専門家である調律師さんに相談してみましょう。

 

●下見のススメ

オークションサイトで、ピアノの購入をご検討されている場合は、

単に中古品の市場価格や送料無料などの言葉に惑わされてしまうと、後で取り返しのつかない事態になりかねません。

 

個人の出品者が使い古したピアノをそのままオークションで出品されているのを見かけますが、「これから修理と調整に費用がかかるのに、こんな価格で出品されてる!?」と驚く事もあります。

 

商品説明文に「調整が必要」などの注意書きをされている場合もあり、一概にはいえませんが、出品者が安易にインターネットで調べた同じ型番の商品から価格を転用しただけの場合もあるようにみうけます。

 

使用頻度や経過年数だけでは、内部の状態を判断することは出来ません。

特に査定価格ともなれば、金額として数字に表れるものなだけに慎重に行う必要があります。

 

メーカー・型番・製造年などで構造や素材に違いがあるため、それぞれのパーツの消耗度合いも変わってきます。

ピアノのパーツひとつひとつに重要な役割があるため、これらを判断するのは、専門家である信頼できる調律師に相談されるのが一番の近道です。

 

出品者が個人なのか、法人なのか

ピアノ業者が個人のアカウントで出品している場合なども存在するため、出品者が設定した価格が妥当なのかを、オークションサイトの画面から判断するのはプロでも困難です。

(ピアノ業者が法人名義で出品しているなら、話は別ですが。)

また、下見は有料である事が多く、金額は距離に比例するのが一般的なため、できれば出品されているピアノの保管場所近くに本拠地のある調律師に下見をお願いできればいいのですが、「そんなに何人も相談できる調律師がいない!!」

という方がほとんどだと思います。

ここは妥協して、これから定期的に調律をお願いする調律師さんに出張してもらう方が良いかもしれません。

 

●まとめ

オークションで気になるピアノがありましたら、試弾→調律師に相談→入札

というプロセスを踏む事で、無駄な時間と出費を抑えて、賢くピアノを手に入れて頂きたいと思います。